認知症ともの忘れの違い
脳の病気によって、記憶力や判断力が低下することで、日常生活に支障が出ている状態を認知症といいます。
認知症を引き起こす病気は多くあり、その症状もさまざまです。
認知症を引き起こす代表的な病気
●アルツハイマ一型認知症
認知症治療病棟では精神症状および行動異常が特に著しい重度の認知症患者さまを対象とした、急性期(2ヶ月)に重点を置いた集中的な入院治療を行うための病棟です。生活環境の変化や生活習慣が崩れることによる認知症状の進行をさけるため、生活機能回復訓練を行ない、認知症に伴う行動・症状の軽減に努めています。
●血管性認知症
アルツハイマ一型認知症に次いで多い病気。脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破裂したり(脳出血)して起こります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心臓病などきちんと治療し、規則正しい生活をすることで、発症や進行の予防が可能です。
●レビー小体型認知症
本来存在しないものが見える幻視や、手足の震えや歩行障害(パーキンソン症状)などをともないます。
●前頭側頭葉変性症(ピック病)
もの忘れよりも人格や行動の変化(万引きをする、同じ行為を繰り返すなど)、言葉の障害が初期から目立ってきます。
※その他、頭部のケガや病気など、さまざまな原因で発症します。
たとえば… 甲状線機能低下症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症(脳の中に血液や水がたまる)など
認知症と老化による「もの忘れ」の違い
●認知症
・体験の一部を忘れる
・日常生活への支障がある ※朝ごはんを食べたことを忘れている
●もの忘れ
物忘れがあると「もしかして認知症なのでは?」と心配される方も多いですが、加齢にともなう年相応の物忘れと、認知症の物忘れには違いがあります。(普通の物忘れ・・記憶の帯から体験の一部を忘れてしまう)
・体験や出来事の一部を忘れるが、体験の他の記憶 から忘れた部分を思い出すことができる
・物忘れをしたという自覚がある
・時間や場所、人物まで分からなくなることはない
(認知症の物忘れ・・記憶の帯から体験全体が抜け落ちる)
・体験や出来事の全体をまるごと忘れるので、ヒントがあっても思い出すことが困難
・物忘れをしたという自覚に乏しい
・時間や場所、人物などがわからなくなることがある
認知症の症状
認知症には、認知症の中心となる症状の「中核症状」と環境、人間関係などさまざまな要因が絡み合ってあらわれる「行動・心理症状」があります。
中核症状
●記憶障害
・さっき聞いたことが思い出せない
・以前覚えていたはずの記憶が失われる
●見当識障害
・時間や季節、場所などの感覚が薄れる
・道順などがわからなくなる(迷子になる)
●理解・判断力の障害
・思考のスピードが遅くなる
・ささいな変化やいつもと違う出来事で混礼する
●実行機能障害
・料理を並行して進められないなど、自分で手順を考えたりすることができない。
行動・心理症状
●症状の例
・(能力の低下を自覚して)元気がなくなる
・(しまい忘れから)他人への物とられ妄想
中核症状
診療の流れ
- 同じことを何回も言ったり聞いたりする
- 夜中に急に起きだして騒いだ
- 計算の間違いが多くなった)
- ささいなことでおこりっぽくなった
- 身だしなみに配慮しなくなった
- 置き忘れやしまい忘れが目立つ
- 物の名前が出てこなくなった
早期発見のメリット
●記憶や判断力が明確なうちに備えることができます
早期の診断により、本人、家族が今度の生活への備えを早めに考えることができます。
●早期治療により改善する場合があります
正常圧水頭症や慣性硬膜下血腫によるものなど、早期に発見すれば、治療により改善が可能なものがあります。
●進行を遅らせることが可能な場合があります
アルツハイマ一型認知症には、進行をある程度遅らせることができる薬があり、早く使い始める事ことが効果的と言われています。また、血管性認知症では、生活習慣病の予防が進行予防につながります。
認知症の予防
発症のリスクを少なくする
- 認知症の半数以上を占めるアルツハイマ一型認知症では、運動をはじめとする生活習慣病対策が発症のリスクを減らす (発症を遅らせる)ことが示されています。
- 認知症の約2割を占める血管性認知症の予防には、高血圧や糖尿病、肥満などの対策がとても有効です。
脳の活性化を図る
老化による脳の変化に廃用 (使わないこと)が加わると認知症の発症や進行を早めます。
脳の活性化にはいろいろな方法がありますが、大切なことは楽しく行うことです。仲間と一緒に昔の遊びや仕事などを語る回想法、音読や計算などの学習等を通じ、仲間と楽しく過ごす中で、認知症の症状悪化、廃用性の認知機能の低下について、一定の効果が期待されます。
体調を整え、身体も心も元気に歳をかさねる
1日1,500mlはとりましょう
1日1,500キロカロリーを目安にしましょう
3日以上ためないようにしましょう
ウオーキンクなどで気持ちよく体を動かしましょう
1日1回は外出しましょう
3日以上ためないようにしましょう
多ければ多いほどいいですね
認知症と診断されたら
今認知法の経過は個人差が大きいですが、10年、20年、30年と長期にわたって進行していきます。初期の段階で、これからの暮らしに備えて本人と家族が相談し、対応しておくことが大切です。またかかりつけ医やケアマネージャ一など、支援してくれる人の力を借りましょう。
認知症になっても住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けるために、地域にあるさまざまな施設やサービスを上手に利用することは、家族の介護負担の軽減だけでなく、生活のリズムが整うなど本人にとっても大切です。通所介護 (デイサービス)等、介護保険のサービス利用にあたっては、要介護認定を受ける必要があります。また、介護サービス以外にも、市町村独自のサービスなどもありますので、お住まいの市町村の介護保険担当課や地域包括支援センターにお問い合わせください。
介護サービス
●通所介護(ディサービス)
利用者が施設に通って、自宅で自立した生活を送れるように日常生活上の支援や機能訓練を行います。認知症の人に利用を限定した施設もあります。
●訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体の介護や家事の援助を行います。
●小規模多機能型居宅介護
施設に登録した人が、「通い」を中心に、「訪問介護」と「短期入所」を組み合わせて利用できるサービスです。
●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の人が、介護職員の援助を受けながら家庭的な雰囲気の中、共同生活を送ります。
●通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設などの施設で医師の指示に基づいて運動器や口腔機能向上のリハビリテーション等を行います。
●訪問看護
医師の指示に基づいて、看護師や保健師等が自宅を訪問して症状の観察や、栄養面の管理などの医療的なケアを行います。
●短期入所(ショートスティ)
介護者の病気や仕事、休息などのため特別養護亮仁ホームや介護老人保健施設に短期宿泊し、介護や機能訓練等のサービスを受けます。
●住宅改修・福社用具貸与(レンタル)
自宅で住み続けるために、手すりの取り付けや段差の解消などの改修費 (20方円まで)への一部助成や車いすや介護用ベッドなど在宅生活に必要な用具のレンタルを行います。
認知症早期発見のためのチェックリスト
いくつか思いあたることがあったら、認知症疾患医療センターに相談しましょう。
- 01. 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる。
- 02. 同じことを何度も「言う」・「問う」・「する」。
- 03. しまい忘れ・置き忘れが増え、いつも探し物をしている。
- 04. 財布・通帳・衣類などを「盗まれた」と人を疑う。
- 05. 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった。
- 06. 新しいことが覚えられない。
- 07. 話のつじつまが合わない。
- 08. テレビ番組の内容が理解できなくなった。
- 09. 約束の日時や場所を間違えるようになった。
- 10. 潰れた道でも迷うことがある。
- 11. ささいなことで怒りっぽくなった。
- 12. 周りへの気づかいがなくなり、頑固になった。
- 13. 自分の失敗を人のせいにする。
- 14. 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた。
- 15. ひとりになると,怖がったり寂しがったりする。
- 16. 外出時、持ち物を何度も確かめる。
- 17. 「頭が変になった」と本人が訴える。
- 18. 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった。
- 19. 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった。
- 20. ふさぎこんで何をするのもおっくうがり、いやがる。
(公社)認知症の人と家族の会作成 「家族がつくった認知症早期発見のめやす」より
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